不動産はなぜ相続対策になるのか?      
                                             
        

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不動産は、なぜ相続対策になるのか?



土地を所有していると、


「アパートを建てて相続対策しませんか?」


と言って、建設業者の営業マンが飛び込んでくることがあります。


しかし、アパートを建てるとどうして相続対策になるのかをきちんと知っている地主


さんは少ないと思います。


そこで、今回は、不動産がどうして相続対策になるのかをテーマにお話ししてみた


いと思います。







1.不動産の相続税評価はどうやって算定するの?




相続税算定の不動産価格は「時価」とされています。


時価ですから、時価を証明できるなら相続税算定はできます。


たとえば、不動産鑑定士による不動産鑑定評価書の価格でも「時価」として形式


上は認められるということになります。


しかし、納税者側で不動産鑑定士に依頼して時価評価をしていては、納税者も税


務署も手続きが煩雑になりますし、納税者の公平性を保てない恐れがあります。


これらの懸案をなくすために、国税側で「時価」とみなしているのが、土地は「相続


税路線価」、建物は「固定資産税評価額」です。




相続税路線価は1年間に1回しか発表されませんので、1年間ずっと同一価格を用


いて相続税申告を行います。


しかし、1年間のうちに実勢地価が下落した場合、実勢地価よりも高い価格での


申告になってしまい適正ではなくなりますので、その予期せぬ下落等に対応する


ため、1月1日時点の路線価を適正地価(公示価格等)よりも予め約20%下げ


て80%ぐらいに設定し、実勢地価が下落しても大丈夫なようにしてあります。


実際は1年間で地価が20%下落することはほとんどありません。


このため、現金を土地にかえるだけで約20%前後の評価減となるのです。




一方、建物の固定資産税評価額は各市町村役場の税務課で評価するのですが、


もともと時価の約50%〜約80%ぐらいで設定されています。




以上のように、不動産の相続税評価は、国税庁が「時価」とみなしている相続税


路線価と固定資産税評価額で算定したほうが評価額を下げることができて納税


者には有利になります。





2.相続税評価では、現金より不動産価格は下がる!




上記の通り、国税庁が「時価」とみなしている評価をするだけで、土地は約20%、


建物は約20%〜約50%も下がり、現金よりも不動産価格は下がるというわけです。


これが、相続税評価上、現金を不動産にかえるメリットの基本です。いわゆる1次


メリットと言えます。




さらに、土地の上に賃貸マンションを建設すると、賃借人に権利が発生して土地


の所有権に対する自由度を奪うので市場価値は下がり、その下がった市場価値


分を控除できます。その計算式も決められていて、借地権割合×借家権割合×


賃貸割合で、だいたい約20%がマイナスになります。


また、建物(賃貸マンション)も同様に借家権割合×賃貸割合=約30%を建物価


格から控除できます。


これを2次メリットと呼ぶことにします。




ここまでで、現金100%に対し土地は約60%〜70%に減額ですし、建物は約40%


〜60%に減額されます。


現金を2億円持っていて、土地に1億円、建物に1億円使ったとして、最大評価でも


それぞれ7,000万円と6,000万円になり、あわせて1億3,000万円で、7,000万円の評


価額減額となります。




この他にも不動産の相続税評価には、小規模宅地等の特例の要件にあてはまり


ますと、一定面積までが約50%〜80%の評価額減額になりますし、広大な土地に


対し相続税評価の広大地として認められますと、約40%以上の評価額減額になり


ます。


これを3次メリットとします。




以上のように、現金を不動産にかえると、1次メリットはもちろん3次メリットまで受


けられる可能性があり大きな節税効果を見込めるのです。







3.ただし、現金を不動産にかえる留意点にご注意ください




前記した通り、現金を不動産にかえることは大きな節税対策を生むのですが、反


面リスクもありますので次の点についてご留意ください。




1)現金で不動産を購入する時に必要経費がかかります。


具体的には、仲介手数料、不動産取得税、登録免許税、印紙税、登記手続費用


等がかかります。必要経費総額で、ざっくりと売買価額の10%程度は考えていた


ほうがいいと思います。




2)不動産を保有するには固定資産税等がかかります。




3)賃貸不動産を所有する場合、空室、家賃滞納などのリスクがあり、想定する純


収益を得られないかもしれません。借入金がある場合、毎月の返済が厳しくなる


場合があります。




4)不動産には不動産固有のリスクがあります。


不動産というのは土地及び建物なので、物理的リスク、価格変動リスク、人的リス


があります。


物理的リスクとは、土地には地中障害、隣地境界、土壌汚染等、建物には欠陥


問題、不慮の事故など物理的に発生するかもしれないリスクのことです。


価格変動リスクとは、不動産価格は下落する可能性があり、投資した元金が目減


りするかもしれないリスクです。


人的リスクとは、隣地の方とのトラブルや賃借人とのトラブルなどに対するリスク


です。




5)現金化に時間がかかります。


相続発生後、不動産を売却して、その売却代金を遺産分割する場合、売却まで


に時間がかかりますので相続税申告期限までに売却が完了できず納税資金を確


保できないないこともあります。




上記1〜3の通り、現金を不動産に変えることは、節税面ではメリットもありますが


リスクもありますので、よく検討されてから実行してください。




補足です。


借金自体は節税対策ではなく、借金してそのお金を不動産にかえるから節税につ


ながります。潤沢な現金をお持ちであれば、借金をせずにそのお金を不動産にか


えることで同じ節税効果が生まれます。


現金を賃貸不動産にかえることは相続対策となりますが、一方で、不動産投資と


いう側面もあることを忘れないでください。


ですから、節税対策になるのと同時に利益を生む場合もありますが、逆に、節税


対策にはなりますがトータルでは損失になることもありえるのです。
















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